2020インフルエンザ治療薬

コロナウイルス感染症のけがの功名とでもいうべきなのか、インフルエンザウイルスの流行は抑えられているようです。


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今日は病院で処方されるインフルエンザ治療薬(飲み薬)について書いていきたいと思います。



はじめに

インフルエンザ治療薬はノイラミニダーゼ阻害薬が主に処方されていましたが、2018年に8年ぶりの新薬で新しい作用機序のゾフルーザが登場しました。

インフルエンザ治療薬のノイラミニダーゼ阻害薬は3種類タミフルリレンザ・イナビルがあり、その3種類の薬は治療と予防の2種類の飲み方があります。
予防で服用する場合は全額自費です。
ゾフルーザには予防治療の適用はありません。




タミフル服用による未成年の異常行動がとても有名になってしまいましたが、未成年の異常行動は抗インフルエンザ薬の服用の有無、種類にかかわらず、インフルエンザ罹患時にみられます。

発熱から2日間以内に発現することが多いことから、少なくとも発熱から2日間窓や玄関の鍵をしっかり施錠しておく、2階建ての家の場合は1階の部屋で寝かせるなど転落等の事故に対する防止策を行う必要があります。


タミフル

剤型;カプセルとドライシロップ
カプセル75mg/267.8円 75mg×10カプセル/2678円  DS1g/195.7円


治療
1日2回服用 5日間服用

予防
1日1回 7~10日間服用

特徴
エビデンスが豊富
・飲み薬なので咳の症状があるときには服用が容易
・5日間服用しないといけない
・1歳未満から服用できる(1歳未満と1歳以上では用量が異なる)
・腎機能により用量調節の必要あり
ジェネリックあり(オセルタミビル 75mg/129.7円 75mg×10/1297円;先発品との差額-¥1381 DS1g/95.5円;先発品との差額-¥100.2)

リレンザ

剤型;吸入
5mg/144.5円  100mg/2890円



治療
1回10mg 1日2回 5日間

予防
1回10mg 1日1回 10日間

特徴
エビデンスが豊富
・二峰性発熱(いったん熱が下がって、1日たった後にもう一度発熱すること)が生じにくい
・5日間服用しないといけない
・5歳以上から使用できる(4歳未満は安全性が確立していないと添付文書記載)

イナビル

剤型;吸入粉末 吸入懸濁用
吸入粉末:20mg/2179.5円 40mg/4359円 

治療
吸入粉末剤
10歳以上 1回40mg(20mg2容器) 単回吸入(1回吸入して服用終了)
10歳未満 1回20mg(20mg1容器) 単回吸入(1回吸入して服用終了)



予防
吸入粉末剤
10歳以上 1回1容器を2日間
10歳未満 1回1容器を1日間
効果は服用開始より10日間

特徴
・1回の吸入で服用終了
・年齢が低いと吸入できないことがある(吸入懸濁用が今シーズンより発売された)

ゾフルーザ

剤型;錠剤
20㎎ 1錠/1535円  40mg/3070円 80mg/6140円

治療
<12歳以上及び成人>
体重80kg未満       1回40mg
体重80kg以上       1回80mg

<12歳未満>
40kg以上         1回40mg
40kg未満20kg以上   1回20mg
20kg未満10kg以上   1回10mg

特徴
・錠剤で1回服用なのでこの中では一番服用が容易
・耐性ウイルスが問題となっている
・体重が80kgを超える方は4錠飲まないといけないので薬代が高価になってしまう。

さいごに

上記4種類の薬が薬局で扱っているインフルエンザ治療薬です。
インフルエンザと診断されたら、家で安静にして十分な睡眠と水分補給をおこなってください。