肝臓のはたらき
薬を語るうえで肝臓は外せない臓器です。
なぜなら肝臓は解毒の役割を担っているからです。
他にも肝臓には素晴らしい機能があります。
今日は肝臓について勉強してみたいと思います。
肝臓の特徴
①肝臓のすごいところ
②糖質の代謝
③タンパク質の代謝
④脂質の代謝
⑤解毒
①肝臓のすごいところ
肝臓にはとってもすごい機能があり、それが再生能力と予備能力です。
肝臓の驚くべき再生能力
肝臓は切っても再生します。
なんと7割を切除しても元通りに再生します。
マウスでは1週間ほどで元通りに戻ってしまいます。人間では数か月かかります。
肝臓の予備能力
肝臓はとっても我慢強い臓器です。
ある程度障害を受けてしまっても、ほかの部分で補い働き続けます。
予備能力があるため病気などで障害を受けても症状が現れにくく、そのため沈黙の臓器と呼ばれています。
②糖質の代謝
肝臓では糖分の貯蔵・放出を行っています。
血中からの糖分の貯蔵
膵臓からインスリンが出て肝臓に作用すると肝臓は糖分のグルコースをグリコーゲンという形で貯蔵します。
糖分の血中への放出
血中の糖分が少なくなると肝臓はグリコーゲンをグルコースに分解し放出することによって血中の糖分を上げます。
また、肝臓はグリコーゲン以外のもの(筋からのアミノ酸、ビリルビン酸、乳酸や脂肪からのグリセロールという物質)からグルコースを作るということもしています。
③タンパク質の代謝
食事からタンパク質をとると、タンパク質はアミノ酸に分解され肝臓へ運ばれます。
そして、肝臓でアルブミン、血液凝固タンパク質、ホルモン、ヘモグロビンなどのたんぱく質に再合成されます。
またアミノ酸の代謝で出た有毒なアンモニアを無毒な尿素へと変えています。
④脂質の代謝
脂質が体中でエネルギーを配った後、最終的に肝臓で回収されます。
(詳しくは、脂質が小腸でカイロミクロン(トリグリセリド、リン脂質、コレステロール、タンパク質で構成)というものになり、各組織でトリグリセリドが分解され遊離脂肪酸(エネルギー源)を供給し、コレステロールの量の比率が高くなったカイロミクロンレムナントというものになって肝臓へ入り吸収される。)
LDLコレステロールの元となるVLDLの合成を行います。HDLコレステロールの元となる物質も作っています。
コレステロールから胆汁酸の生成も行っています。
⑤解毒
アンモニア、アルコール、たばこに含まれるニコチンや医薬品などを無毒化し排泄しています。
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まとめ
肝臓は生体内で糖質・タンパク質・脂質の代謝や解毒などの重要な役割を担っています。それだけに多少障害をうけても弱音をはかないタフな臓器になっています。
肝臓はタフなだけに、何らかの症状が出た時にはかなり進行している場合があります。健康診断などで受診を進められた時には必ず受診しましょう。